Chat-GPTを中心にAI(人工知能)の時代が急速に訪れ、社会全体がDX(デジタルトランスフォーメーション)を遂げる中で、プログラミングはますます重要なスキルとなっています。
しかしながら、AIの技術が進化し続けることで、『プログラマーからAIがプログラミングを取って代わってしまうのでは?』という疑問が一部で囁かれています。
エンジニア目線から今後のプログラミングに関して整理してみようと思います。
AIの進化によるプログラミングの変化
人工知能(AI)の発展は、プログラミングの風景を大きく変えています。かつては人間が一から数千行ものコードを書くことが一般的でしたが、AIの登場により、一部のタスクは自動化され、効率化が進んでいます。
例えば、自動コーディングツールやAI駆動の低コード/ノーコードプラットフォームは、非技術者でもアプリケーションを作成できるようになりました。これは、一部の簡単なタスクに対するプログラミングの必要性を減らす一方で、複雑な問題解決や創造的な開発には依然として人間のプログラマーが必要となります。
AIはまた、ソフトウェア開発のプロセスにおいても役立っています。バグの発見やコードの最適化に対する提案、複雑なデータの解析など、人間が行うよりもAIの方が早く正確に行うことが可能です。しかし、その結果をどう解釈し、どのように利用するかを決定するのは、やはり人間のプログラマーです。
したがって、AIの進化は、プログラミングが不要になるというよりも、より複雑で創造的なタスクに焦点を当てることが可能になりました。これは、プログラミングスキルが進化し続ける社会において、ますます重要になっています。
AIの時代でも必要なプログラミングの理由
AIの時代になっても、プログラミングは必須のスキルとしてその存在価値を保ち続けていくと考えています。その理由は、AIはあくまでツールであり、それを最適に活用し、創造的な解決策を生み出すためには、プログラミングの知識が不可欠だからです。
AI技術の進化により、一部の単純なタスクはAIが担当するようになりましたが、それによって生じた時間とリソースを、より高度な創造的なタスクや複雑な問題解決に投入することが可能になりました。これらの創造的なタスクはAIにはまだ難しく、人間のプログラマーが必要となります。そのため、プログラミングを理解していることで、AIと共に働き、新しいソリューションを生み出すことが可能となります。
また、AIの出力結果を理解し、その結果を利用して何をすべきかを決定するためには、やはりプログラミングの知識が必要です。AIの出力はあくまで「提案(叩き台)」であり、その提案が正しいかどうかを判断し、それをどのように活用するかを決定するのは人間です。
さらに、プログラミングは論理的思考や問題解決能力を鍛えるための素晴らしいツールでもあります。これらのスキルは、AIの時代でも重要性を増すばかりで、プログラミングを通じてこれらのスキルを磨くことは大いに有益です。
つまり、プログラミングはAIの時代においても、社会を理解し、新しいソリューションを創造するための重要なスキルとなっていくと考えています。
プログラミング学習をするメリット
プログラミングを学ぶことは、個々のスキルを高め、キャリア形成にも大きなメリットをもたらします。
以下にその主な理由をいくつか挙げてみましょう。
- 論理的思考力の向上:プログラミングは、問題を解決するためのステップを正確に定義する能力を必要とします。これはつまり、論理的な思考と問題解決能力を鍛える絶好の機会となります。
- 創造性の育成:プログラミングは創造的なプロセスでもあります。新しいアイデアを形にし、それを現実化するためのツールとして、プログラミングは優れています。
- 市場価値:デジタル化が進む現代社会において、プログラミングスキルは非常に高い市場価値を持ちます。多種多様な業界で需要があり、良好な報酬を得られる可能性が高いです。
- AIと共働きする能力:AIの進化が進む中、その動作を理解し、制御する能力はますます重要になります。プログラミングを学ぶことで、AIと上手く協働するための基礎を身につけることができます。
- 自己啓発と継続学習:プログラミングは常に新しい知識や技術が求められ、継続的な学習を促します。これは自己成長の一環として、また新しいチャレンジを楽しむ一つの方法となります。
これらのメリットは、プログラミングを学ぶことの価値を示しています。そして、これらのスキルや経験は、AIの時代においても有用性を保ち続ていくと思います。
まとめ
我々はAIの進化によって、世界が変化し続ける時代を生きています。これらの変化は、多くの業界や職種に影響を及ぼし、プログラミングも例外ではありません。しかし、本記事で記載した通り、AIの時代になっても、プログラミングはその重要性を失っていません。
プログラミングは、AIが担当できない複雑で創造的なタスクを実現するための必須スキルであり、またAIの提案を理解し、その結果を活用して何をすべきかを決定するための知識を提供します。また、プログラミングは論理的思考や問題解決能力を鍛える素晴らしいツールであり、その能力はAIの時代でも重要性を増すばかりです。
さらに、プログラミングスキルは、現代社会で高い市場価値を持ち続けています。それはAIと共働きする能力を獲得し、自己成長を促進するための一つの手段となっています。
また、日本の文化と特性からも基幹系システムと呼ばれている企業向けシステムでは、情報漏洩の観点からも開発現場でのAIの導入にはまだまだ時間がかかることが予想されます。
開発現場によっては、外部(インターネット)にすら繋げられない環境での業務も少なくありません。
そのため、我々はAIの時代においてもプログラミングを学び続けるべきです。
プログラミングを身につけることは新たなチャレンジへの一歩であり、同時にこれからの社会で活躍するための重要なスキルを身につけるための手段となると考えています。